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睡眠時間|最適な時間と健康への影響

自分の睡眠時間って長いの?短いの?ショートスリーパーの人もいるけど健康に影響はないの?など睡眠の時間だけを気にする方が多いのですが、時間だけでなく睡眠は質も大切です。そもそも睡眠は寝始めから目覚めまでで脳と体に及ぼす役割も違うんです。今回はわたくし、岩本が上級睡眠健康指導士の見地にもとづき、最適な睡眠時間や、健康リスクを減らす良い睡眠のとり方をご紹介します!

1.日本人の平均睡眠時間

7時間42分で他国と比べても最も短いレベル

総務省が5年ごとに実施している社会生活基本調査、NHKが5年ごとに実施している国民生活時間調査などの報告書から、日本人の平均睡眠時間は総数で7時間42分、男性で7時間49分、女性で7時間36分となっています。
オーストリア、ベルギー、ブラジル、中国、ドイツ、日本、ポルトガル、スロバキア、南アフリカ、スペインの10か国で実施された睡眠時間と昼寝習慣の調査(2002年)において、日本人の睡眠時間が最も短く、習慣的に昼寝をとる人の割合も最も少ないことが報告されています。

60年前に比べ、1時間以上短い日本人の睡眠時間

NHKの国民生活調査によると、1960年には約70%の人が夜10時に眠っていたのが、2010年には24%に激減し、睡眠時間は60分少なくなっています。
工業化、都市化、情報化に加えて、日本社会の夜型化または24時間型化など、様々な社会環境の変化が、国民の睡眠時間の短縮をもたらしていると推測されます。

2. 年齢別の睡眠時間

45~49歳が男女共通して最も短い

45~49歳が最も短く、男性で約7時間20分程度、女性で6時間50分程度であると、社会生活基本調査(2011年)で報告されています。
働きざかりの年代は、眠れない「不眠」というよりかは自ら睡眠時間を短くする「断眠」をしているわけです。

幼い子供ほど睡眠時間は長い

1日の総睡眠時間は新生児で16時間、小児期で10~12時間です。小さい子供はよく寝ているとは思っていましたが、日本人の平均睡眠時間7時間42分から考えると、1.25~2倍くらい寝ているんですね。
また睡眠にはノンレム睡眠と脳を作り、育てるといわれている「レム睡眠」がありますが、小さい子供ほど、レム睡眠の時間が長いのが特徴です。新生児だと半分以上がレム睡眠です。寝る子は育つといいますが、睡眠は脳を育てる大切な時間というわけです。ちなみに、加齢とともにレム睡眠の時間は減っていきます。

50歳以降、寝床時間は増えるが、総睡眠時間は減っていきます

総睡眠時間は青少年期で8.5~10.5時間と次第に短縮し、青年期~中年期にかけては7~8時間とほぼ安定します。その後は加齢とともに短縮する傾向があり、70~85歳で約6時間程度です。
先ほどの調査報告から最も睡眠時間が短い45~49歳以降は睡眠時間が加齢とともに増えていますが、あくまで「何時間寝ているか?」という質問に対して各人が答えるアンケート調査なので、本当に寝ている総睡眠時間(※)でないということを覚えておきましょう。
※総睡眠時間とは寝床時間から覚醒した時間を引いた、ノンレム睡眠とレム睡眠の合計時間のこと
加齢とともに寝床時間が増えていても、居眠りが増えたり、夜中に中途覚醒したり、朝早く起きる早朝覚醒などして、本当の総睡眠時間は短いわけですね。

3. 睡眠時間と死亡リスク、肥満リスクの関係

睡眠時間は長くても短くても生活習慣病のリスクが高まります

近年、睡眠時間が肥満、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、虚血性心疾患などの生活習慣病の発症と密接に関連していることが複数の疫学研究から報告されています。
特に、短い睡眠時間は共通して生活習慣病のリスクファクターとなっていますが、長い睡眠時間も生活習慣病のリスクを高めるとする研究報告もあります。
短い睡眠時間と長い睡眠時間の両方で死亡リスクが高いことから、睡眠時間と死亡リスク、肥満との間にはU字型の関連性が認められることが広く知られています。睡眠時間は短すぎても、長すぎても健康にはよくないことがわかります。

>睡眠と肥満に関する記事はこちら

4. 最適な睡眠時間とは?

7時間くらいが目安、でもかなり個人差があります

先ほどの死亡・肥満リスクのU字型の関連性でも7時間程度の睡眠時間が一番リスクが低かったり、生理的にみた1日の睡眠時間の年齢推移でも、青年期~中年期にかけては7~8時間でほぼ安定していることから、7時間程度を目安にしても良いという説もあります。
ただ、年齢はもちろんのこと同じ年齢でもかなり個人差があることを覚えておきましょう。

自分が日中に過度な眠気が生じない睡眠時間を知りましょう

世の中には6時間以下しか眠らないような短時間睡眠者(ショートスリーパー)や、9時間以上眠ってしまう長時間睡眠者(ロングスリーパー)もいます。
ここで大切なのは、自分は何時間寝ないと日中のパフォーマンスに影響が出るかどうかを見極めることです。
例えば、忙しい週に5時間しか眠ることができない日が続くことで、日中に極度の眠気に襲われ、仕事に支障をきたす場合、その人は本来5時間では睡眠が足りない人です。
そして、休日に平日よりも2時間多く寝てしまい、日中に眠気がなかったら、不足分の2時間を補ったことになります。
つまりこの人の場合、7時間くらいは睡眠が必要であろうというわけです。
逆に5時間睡眠でも日中、眠気に全く襲われることがない場合は短時間睡眠者(ショートスリーパー)である可能性がありますが、本当に健康面で問題ないのかは分からないため、日中のパフォーマンスに支障がないからといって、「あえて断眠」することはおすすめできません。
ちなみに4時間未満でも平気なショートスリーパーは人口全体の約1%しか存在しないと言われており、ほぼ遺伝的な要因であると考えられています。つまり、99%の人が目指してなれるものではないので、無理に断眠するのはやはり避けましょう。

>ショートスリーパーに関する記事はこちら

季節によっても睡眠時間は変わります

春になるとなんだか眠気を強く感じるといった経験はありませんか?
これは人間が本来もっているメカニズムで、自然なことなのです。
ここでは詳しいことは割愛しますが、実は太陽の光と睡眠とは密接な関係にあります。
夏のように昼間が長い、日照時間が長いと睡眠時間は短くなり、冬のように昼間が短い、日照時間が短いと睡眠時間は長くなります。
睡眠時間は7~8月に短く、11~12月に長くなるという傾向があるので、普段寝ている時間より長くなった、短くなったことで、「体調が悪いのかな?」と悩む前に季節の要因もあるということを頭に入れておきましょう。

5. 睡眠時間だけでなく睡眠の質も大切

睡眠前半の深い眠りで、脳と体の疲労回復

入眠後の90分が最も深い眠りであり、この時間に脳も体も最も疲労回復しています。
また成長ホルモンもこのときに分泌量が最大となります。
ですので、この時間帯はできるだけ覚醒が起きにくい環境を作ることが大切です。
例えば、夏場であれば暑くて起きてしまわないようこの時間は快適に眠れるようエアコンを入れるなどの工夫をしましょう。

睡眠後半で脳を育てる

睡眠後半は浅い眠りとレム睡眠が多く発生します。
浅い眠りは脳や体を疲労回復というよりかは、朝目覚めるための準備の眠りと考えられており、記憶や運動技能を再処理して定着させる役割も担っています。
レム睡眠は睡眠中にも関わらず、大脳皮質を刺激している状態のため、脳を作る・育てる役割を担っていると考えられています。
新生児では睡眠時間の50%がレム睡眠であることからもそのことが分かります。
加齢とともにレム睡眠は減っていきますが、脳を育てるという意味でどんな人であってもレム睡眠は大変大切なものです。

質の良い眠りは夜間の覚醒を少なくすることから

布団で過ごした時間(寝床時間)=実際の睡眠時間ではありません。それは夜中に中途覚醒が起こることで、実際の睡眠時間(総睡眠時間といいます)は少なくなります。
ですので、いかに中途覚醒が起こらないようにするかが大切です。
中途覚醒が起こる原因は様々ですが、一つは夜中のトイレ。もう一つは暑さや寒さによる体温の原因によるものです。
お酒は利尿作用があるので、過飲は避けて、寝る前に必ずトイレにいくなどしましょう。
また、エアコンやお布団、パジャマなどの寝具を上手に使うことで、夜中に暑くて起きる、寒くて起きるなどがないようにしましょう。

>夏の快眠のコツ~冷房とパジャマ、寝具の上手な使い方~

冬の快眠のコツ~暖房とパジャマ、寝具の上手な使い方~

睡眠量ではなく、どの時間帯の睡眠で何を得られるかを意識する

ちなみに、睡眠時間が短い人と長い人とでは、睡眠前半に発生する深い睡眠(専門用語で徐波睡眠といいます)の量は実はあまり変わりません。
浅い睡眠やレム睡眠の量が長時間睡眠者の方が増える傾向があります。
前述したように、睡眠の前半と後半では脳や体に対する効果が違ってくるため、睡眠量を意識するより、覚醒をいかに少なくして、睡眠によって得られる効果を無駄なく取り入れられかを意識しましょう。
そのことが睡眠の質を高める一番基礎的なことであり、知っておくべきことと言えます。

6. まとめ

睡眠時間自体はあまり気にしすぎない

少し乱暴な言い方かもしれませんが、自分の睡眠時間は短すぎないか、長すぎないか…さらに、あまりよく眠れていないのではないか、体によくないのではないか、など気にしすぎない方が良いというのが私の持論です。
日中に過度な眠気があり、仕事に支障が出たり、心身ともにすぐれない場合は「睡眠障害」という病気の可能性があるため、専門医に相談するようにしましょう。
ただ、そうでない場合は、あまり気にしすぎない。
なぜそのように言うのかといいますと、睡眠は精神的な影響も非常に大きいからです。つまり気にしすぎると余計に眠れなくなったりと悪循環を生む可能性が高いです。
もちろん良い睡眠は取らなければいけませんし、取るための工夫はたくさんあるため、またご紹介していきますが、まずはそもそも睡眠とは何かという基礎的な知識を知っておくことで、仮に睡眠時間や質が低下しても、不安にならずにいられることも大変大切なことです。

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