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繊維、生地などの素材のこと。睡眠、健康のお話までパジャマ、睡眠百科事典です。

最適な睡眠時間と健康への影響

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この記事の監修者岩本悠資
所属:岩本繊維株式会社 代表取締役
出身:1983年10月 京都生まれ
経歴 同志社大学経済学部卒業。
広告代理店入社、営業部配属。
岩本繊維入社後、日本全国の寝具専門店、家具店などの小売店への卸営業活動を経て、自社ECサイト「Living Mahoroba楽天店」「つくるパジャマ」オープン。睡眠健康指導士のアプローチで快眠に関する知識や寝装品、 パジャマ選びなどの情報をブログで発信。
資格
趣味 寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒

自分の睡眠時間って長いの?短いの?ショートスリーパーの人もいるけど健康に影響はないの?など睡眠の時間だけを気にする方が多いのですが、時間だけでなく睡眠は質も大切です。そもそも睡眠は寝始めから目覚めまでで脳と体に及ぼす役割も違うんです。今回はわたくし、岩本が上級睡眠健康指導士の見地にもとづき、最適な睡眠時間や、健康リスクを減らす良い睡眠のとり方をご紹介します!

目次

1.日本人の平均睡眠時間

7時間42分で他国と比べても最も短いレベル

総務省が5年ごとに実施している社会生活基本調査、NHKが5年ごとに実施している国民生活時間調査などの報告書から、日本人の平均睡眠時間は総数で7時間42分、男性で7時間49分、女性で7時間36分となっています。
オーストリア、ベルギー、ブラジル、中国、ドイツ、日本、ポルトガル、スロバキア、南アフリカ、スペインの10か国で実施された睡眠時間と昼寝習慣の調査(2002年)において、日本人の睡眠時間が最も短く、習慣的に昼寝をとる人の割合も最も少ないことが報告されています。

60年前に比べ、1時間以上短い日本人の睡眠時間


■NHK(日本放送協会)「国民生活時間調査、2015」より (出典もとはこちら)
https://www.nhk.or.jp/bunken/yoron-jikan/

NHKの国民生活調査によると、1960年には約70%の人が夜10時に眠っていたのが、2010年には24%に激減し、睡眠時間は60分少なくなっています。
工業化、都市化、情報化に加えて、日本社会の夜型化または24時間型化など、様々な社会環境の変化が、国民の睡眠時間の短縮をもたらしていると推測されます。

2. 年齢別の睡眠時間

45~49歳が男女共通して最も短い

45~49歳が最も短く、男性で約7時間20分程度、女性で6時間50分程度であると、社会生活基本調査(2011年)で報告されています。
働きざかりの年代は、眠れない「不眠」というよりかは自ら睡眠時間を短くする「断眠」をしているわけです。

幼い子供ほど睡眠時間は長い

1日の総睡眠時間は新生児で16時間、小児期で10~12時間です。小さい子供はよく寝ているとは思っていましたが、日本人の平均睡眠時間7時間42分から考えると、1.25~2倍くらい寝ているんですね。
また睡眠にはノンレム睡眠と脳を作り、育てるといわれている「レム睡眠」がありますが、小さい子供ほど、レム睡眠の時間が長いのが特徴です。新生児だと半分以上がレム睡眠です。寝る子は育つといいますが、睡眠は脳を育てる大切な時間というわけです。ちなみに、加齢とともにレム睡眠の時間は減っていきます。

50歳以降、寝床時間は増えるが、総睡眠時間は減っていきます

総睡眠時間は青少年期で8.5~10.5時間と次第に短縮し、青年期~中年期にかけては7~8時間とほぼ安定します。その後は加齢とともに短縮する傾向があり、70~85歳で約6時間程度です。
先ほどの調査報告から最も睡眠時間が短い45~49歳以降は睡眠時間が加齢とともに増えていますが、あくまで「何時間寝ているか?」という質問に対して各人が答えるアンケート調査なので、本当に寝ている総睡眠時間(※)でないということを覚えておきましょう。
※総睡眠時間とは寝床時間から覚醒した時間を引いた、ノンレム睡眠とレム睡眠の合計時間のこと
加齢とともに寝床時間が増えていても、居眠りが増えたり、夜中に中途覚醒したり、朝早く起きる早朝覚醒などして、本当の総睡眠時間は短いわけですね。

3. 睡眠時間と死亡リスク、肥満リスクの関係

睡眠時間は長くても短くても生活習慣病のリスクが高まります

近年、睡眠時間が肥満、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常、虚血性心疾患などの生活習慣病の発症と密接に関連していることが複数の疫学研究から報告されています。
特に、短い睡眠時間は共通して生活習慣病のリスクファクターとなっていますが、長い睡眠時間も生活習慣病のリスクを高めるとする研究報告もあります。
短い睡眠時間と長い睡眠時間の両方で死亡リスクが高いことから、睡眠時間と死亡リスク、肥満との間にはU字型の関連性が認められることが広く知られています。睡眠時間は短すぎても、長すぎても健康にはよくないことがわかります。

>睡眠と肥満に関する記事はこちら

4. ロングスリーパーとショートスリーパー

ロングスリーパー(長時間睡眠者/long sleeper)

普段の睡眠時間が人の平均的な値より長い人(具体的には…少なくとも6カ月以上の間、9時間以上である人)をロングスリーパー(長時間睡眠者/long sleeper)と分類しています。
相対性理論を眠っている間に発想したことで知られているアインシュタインは10時間以上眠る長時間睡眠者の代表としてよく取り上げられます。

ショートスリーパー(短時間睡眠者/short sleeper)

ロングスリーパーとは反対に、普段の睡眠時間が人の平均的な値よりも短い人(具体的には…少なくとも6カ月以上の間、6時間以下である人)をショートスリーパー(短時間睡眠者/short sleeper)と分類しています。
エジソンやナポレオンがショートスリーパー(短時間睡眠者)として知られていますし、レオナルド・ダ・ヴィンチは4時間仕事をして30分眠ることを生涯続けたと言われています。
近年、世界的にみても睡眠時間の短縮化があり、上述したように日本では特にその傾向が顕著になっています。ロングスリーパー、ショートスリーパーの分類基準は年齢層だけでなく、その時代によっても異なる可能性があります。
エジソンが電灯を発明するまでは米国での平均睡眠時間は9~10時間と推定されていますが、その時代に先述の基準を当てはめると、過半数の国民がロングスリーパー(長時間睡眠者)となってしまいます。
ちなみに余談ですが、超働き者であったエジソンは電灯を発明することで世界中の人が夜になってもずっと働くことができると考えていたと言われており、一部の睡眠学者の間では現代の睡眠環境の問題を「エジソンの呪い」と揶揄されることもあります。

ロングスリーパーとショートスリーパーの睡眠内容

ロングスリーパー(長時間睡眠者)とショートスリーパー(短時間睡眠者)の睡眠内容を調べると、ショートスリーパー(短時間睡眠者)に比べ、ロングスリーパー(長時間睡眠者)は浅い睡眠(専門用語で睡眠段階2)とレム睡眠(詳しくは述べませんが、一般的にあまり深い眠りという感じではありません)が長く、深い睡眠(専門用語で睡眠段階3+4)にはほとんど差がみられません。
深睡眠は睡眠前半に集中して出現するので、5時間以上の睡眠時間をとっていると、深睡眠の長さはほとんど変わらないことになります。
ショートスリーパー(短時間睡眠者)は深睡眠がロングスリーパー(長時間睡眠者)とほぼ同量出現していること、さらにレム睡眠が効率よく出現していることから、ロングスリーパー(長時間睡眠者)よりも効率的な睡眠をとっているとも考えられています。

介護のための睡眠ハンドブック第一章P48

5. セルフチェック!睡眠時間は足りていますか?

Q.ふだん、睡眠時間は足りていますか?

□①じゅうぶん足りている
□②おおむね足りている
□③少し足りていない。朝はできればあと数分寝ていたい
□④全く足りていない。朝は時間が許せば、まだまだ寝ていたい

ここで少しご自身のことをチェックしてみましょう!
これは私が所属している日本睡眠教育機構が推奨していた「睡眠習慣 セルフチェックノート」という本の中身を一部抜粋したものです。ぜひご参考までご覧ください!

参考文献:「睡眠習慣 セルフチェックノート」(全日本病院出版会)

①を選んだ人は

→朝、爽快に目覚め、日中に覚醒が維持できていれば、睡眠時間はじゅうぶん足りているといえます。この生活を維持してください。

②を選んだ人は

→朝起きたとき、少し眠気が残っていても2~3分ですっきりとするようであれば、睡眠時間はおおむね足りているといえます。
もし、日中に眠気が起こるようであれば、睡眠時間をもう少し延ばすか、あるいは昼間に15分程度の仮眠をとってみてはいかがでしょうか。ただし、30分以上の仮眠はお勧めできません。

③または④を選んだ人は

→朝、爽快に目覚めるためには、じゅうぶんな睡眠をとることが必要です。
休日に“寝貯め”をしようとするのではなく、ふだんから睡眠不足にならないよう、じゅうぶんな睡眠時間を確保してください。
また、日中の眠気は、お昼休み中などに15分程度の仮眠をとることで解消してみてはいかがでしょうか。ただし、30分以上の仮眠はお勧めできません。

解説~睡眠慣性~

睡眠時間が短いにもかかわらず目覚まし時計などでいきなり起こされると、さっと目覚めることができません。目覚まし時計を止めてそのまま二度寝、という場合もあるでしょう。携帯電話のスヌーズ機能に頼っている人もいるのではないでしょうか。
このように、起きたときに強い眠気が残り、適切な行動がとれない状態を睡眠慣性といいます。
覚醒しているはずなのに、まだ睡眠の状態が続いているのです。
睡眠慣性は、睡眠時間がある程度確保できていれば、発生したとしてもそれほど強くなく、数分で消失します。
しかし、睡眠が深いときに起こされたり、睡眠時間が短かったりすると強く現れ、起きたあとも20~30分続きます。2~3時間しか眠れていないなど極端な睡眠不足のときは2時間以上続いたという報告もあります。
このようにじゅうぶんな睡眠時間が確保できていないと、強い睡眠慣性が発生しますから、爽快な気分で目覚めることができません。爽快な気分で目覚めるためには、ふだんからじゅうぶんな睡眠を確保しておくことが大切です。

6. 睡眠時間の不足によるリスク

睡眠不足は睡眠負債となっていきます

睡眠負債(すいみんふさい)というと、スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長、医学博士の西野精治先生(著書に10万部のベストセラーとなった「スタンフォード式 最高の睡眠」などがある)が各メディアでご紹介されて世の中に広まった概念、定義だと思います。
その西野先生のお言葉をお借りしますと、睡眠が足りていない状態を「睡眠不足」ではなく、「睡眠負債」、つまり借金同様、睡眠も不足がたまって返済が滞ると、首が回らなくなり、しまいには脳も体も思うようにならない「眠りの自己破産」を引き起こしてしまいます。
働く世代の人たちの睡眠時間は慢性的に不足し、睡眠負債(睡眠不足の蓄積)が蓄積していることは明らかです。日本での成人4,000名を対象とした調査では、睡眠時間が6時間未満の人が28%みられました。
また、日中に過剰な眠気を訴える率は欧州5か国19,000名を対象とした調査ならびに日本の成人3,000名を対象とした調査では15%に認められました。
現代社会では睡眠が軽視されがちで、少しくらいの睡眠不足は、すぐに健康に影響しないかもしれませんが、長い間睡眠不足でいると、事故を起こしたり、生活習慣病やうつ病になるリスクが高まります。睡眠負債をため込むと、最後にはその重さで大きなつけを支払うことになってしまいます。

睡眠負債が引き起こす睡眠不足症候群とは

睡眠負債(睡眠不足の蓄積)によって、日中に仕事に支障をきたすほどの強い眠気を感じ、さらには集中力の低下、イライラなどの症状が出現することを睡眠不足症候群と言います。
睡眠障害国際分類(ICSD-2)では行動誘発性睡眠不足症候群の名称で記載されており、過眠症群に分類されています。
睡眠障害などの本当の病気というよりは、ただ単に慢性的な寝不足です。
平日に比べて、休日の睡眠時間が長く、長期休暇の期間に十分睡眠をとった場合は日中の眠気や身体症状が出現しないことが多いのが特徴です。

休日に平日よりも2時間以上長く眠っている場合は睡眠不足を疑う

前述したような過剰な日中の眠気は、睡眠不足症候群の可能性がありますが、それを判断する基準の一つとして、もし週末や休日などに平日よりも2時間以上長く眠ってしまっている場合は睡眠不足症候群を疑いましょう。
睡眠不足症候群を罹患する人の特徴として、睡眠不足の自覚がないことが挙げられます。
そのため、何か睡眠障害などの病気かと心配し、睡眠外来などを受診することが多いのですが、次にその事例をご紹介します。

睡眠不足症候群の事例:A子さんの場合

A子さん(お仕事は会社事務)
・毎朝起きることができないことが悩み。
(7時には無理に起きるが、体は眠ったままで全く動くことができない)
・仕事に差し支えるほど日中でも眠く、布団に入ったらすぐに寝てしまいそうになる

そんなA子さんが病院の睡眠外来に相談にいったところ、担当医からは、寝た時刻、起きた時刻、眠気の程度を日誌に書いてくるように言われました。
1か月後、睡眠日誌を見た担当医から睡眠不足症候群と診断されました。
理由は休みの日に普段より2時間以上長く寝ているためです。これは本当の病気ではなく、睡眠時間が足りていないだけで、十分に睡眠時間をとると日中の眠気は改善するという説明を受けました。
その後偶然にも、A子さんは交通事故に遭い、そのショックで会社を休み、4日間ずっと家で寝るという生活を続け、5日目に仕事に行ったところ、仕事中に全く眠気がありませんでした。
このことから、A子さんは慢性の睡眠不足で4日間たっぷり眠ったことで、睡眠負債がなくなり、日中の眠気がなくなった、睡眠不足症候群が改善することを証明する事例になっています。

睡眠不足症候群は十分に睡眠時間を確保することで改善します

日中いきいきと過ごせるようであれば睡眠時間にこだわることはありませんが、前述したような日中に仕事に支障をきたすほどの強い眠気を感じる睡眠不足症候群の人は個人差がありますが、毎日8時間ほど眠ると、この睡眠不足は全くなくなるという報告もあります。
最適な睡眠時間は個人差がかなりありますが、日本人の平均睡眠時間が短縮し続けていることから、自分にとって必要な睡眠時間を誤って認識している人が多いように思われます。
とくに、睡眠不足症候群はまじめな若い男性サラリーマンに多く、中学生、高校生から壮年世代まで広い年代にみられますが、仕事や学業などの様々な社会的要因によって本来必要な睡眠時間が確保できていないということを実は自覚できていないのかもしれませんね。

7. 最適な睡眠時間とは?

7時間くらいが目安、でもかなり個人差があります

先ほどの死亡・肥満リスクのU字型の関連性でも7時間程度の睡眠時間が一番リスクが低かったり、生理的にみた1日の睡眠時間の年齢推移でも、青年期~中年期にかけては7~8時間でほぼ安定していることから、7時間程度を目安にしても良いという説もあります。
ただ、年齢はもちろんのこと同じ年齢でもかなり個人差があることを覚えておきましょう。

自分が日中に過度な眠気が生じない睡眠時間を知りましょう

先ほども述べたように、世の中には6時間以下しか眠らないようなショートスリーパー(短時間睡眠者)や、9時間以上眠ってしまうロングスリーパー(長時間睡眠者)もいます。
ここで大切なのは、自分は何時間寝ないと日中のパフォーマンスに影響が出るかどうかを見極めることです。
例えば、忙しい週に5時間しか眠ることができない日が続くことで、日中に極度の眠気に襲われ、仕事に支障をきたす場合、その人は本来5時間では睡眠が足りない人です。
そして、休日に平日よりも2時間多く寝てしまい、日中に眠気がなかったら、不足分の2時間を補ったことになります。
つまりこの人の場合、7時間くらいは睡眠が必要であろうというわけです。
逆に5時間睡眠でも日中、眠気に全く襲われることがない場合はショートスリーパーである可能性がありますが、本当に健康面で問題ないのかは分からないため、日中のパフォーマンスに支障がないからといって、「あえて断眠」することはおすすめできません。
ちなみに4時間未満でも平気なショートスリーパーは人口全体の約1%しか存在しないと言われており、ほぼ遺伝的な要因であると考えられています。つまり、99%の人が目指してなれるものではないので、無理に断眠するのはやはり避けましょう。

>ショートスリーパーに関する記事はこちら

季節によっても睡眠時間は変わります

春になるとなんだか眠気を強く感じるといった経験はありませんか?
これは人間が本来もっているメカニズムで、自然なことなのです。
ここでは詳しいことは割愛しますが、実は太陽の光と睡眠とは密接な関係にあります。
夏のように昼間が長い、日照時間が長いと睡眠時間は短くなり、冬のように昼間が短い、日照時間が短いと睡眠時間は長くなります。
睡眠時間は7~8月に短く、11~12月に長くなるという傾向があるので、普段寝ている時間より長くなった、短くなったことで、「体調が悪いのかな?」と悩む前に季節の要因もあるということを頭に入れておきましょう。

8. 睡眠時間だけでなく睡眠の質も大切

睡眠前半の深い眠りで、脳と体の疲労回復

入眠後の90分が最も深い眠りであり、この時間に脳も体も最も疲労回復しています。
また成長ホルモンもこのときに分泌量が最大となります。
ですので、この時間帯はできるだけ覚醒が起きにくい環境を作ることが大切です。
例えば、夏場であれば暑くて起きてしまわないようこの時間は快適に眠れるようエアコンを入れるなどの工夫をしましょう。

睡眠後半で脳を育てる

睡眠後半は浅い眠りとレム睡眠が多く発生します。
浅い眠りは脳や体を疲労回復というよりかは、朝目覚めるための準備の眠りと考えられており、記憶や運動技能を再処理して定着させる役割も担っています。
レム睡眠は睡眠中にも関わらず、大脳皮質を刺激している状態のため、脳を作る・育てる役割を担っていると考えられています。
新生児では睡眠時間の50%がレム睡眠であることからもそのことが分かります。
加齢とともにレム睡眠は減っていきますが、脳を育てるという意味でどんな人であってもレム睡眠は大変大切なものです。

質の良い眠りは夜間の覚醒を少なくすることから

布団で過ごした時間(寝床時間)=実際の睡眠時間ではありません。それは夜中に中途覚醒が起こることで、実際の睡眠時間(総睡眠時間といいます)は少なくなります。
ですので、いかに中途覚醒が起こらないようにするかが大切です。
中途覚醒が起こる原因は様々ですが、一つは夜中のトイレ。もう一つは暑さや寒さによる体温の原因によるものです。
お酒は利尿作用があるので、過飲は避けて、寝る前に必ずトイレにいくなどしましょう。
また、エアコンやお布団、パジャマなどの寝具を上手に使うことで、夜中に暑くて起きる、寒くて起きるなどがないようにしましょう。

>夏の快眠のコツ~冷房とパジャマ、寝具の上手な使い方~

冬の快眠のコツ~暖房とパジャマ、寝具の上手な使い方~

睡眠量ではなく、どの時間帯の睡眠で何を得られるかを意識する

ちなみに、睡眠時間が短い人と長い人とでは、睡眠前半に発生する深い睡眠(専門用語で徐波睡眠といいます)の量は実はあまり変わりません。
浅い睡眠やレム睡眠の量が長時間睡眠者の方が増える傾向があります。
前述したように、睡眠の前半と後半では脳や体に対する効果が違ってくるため、睡眠量を意識するより、覚醒をいかに少なくして、睡眠によって得られる効果を無駄なく取り入れられかを意識しましょう。
そのことが睡眠の質を高める一番基礎的なことであり、知っておくべきことと言えます。

9. まとめ

睡眠時間自体はあまり気にしすぎない

色々と述べてきましたが、睡眠時間がきちんと確保できていないと、様々なデメリットがあることは確かです。
ただ、誤解を恐れずに言いますと、自分の睡眠時間は短すぎないか、長すぎないか…さらに、あまりよく眠れていないのではないか、体によくないのではないか、など気にしすぎない方が良いというのが私の持論です。
日中に過度な眠気があり、仕事に支障が出たり、心身ともにすぐれない場合は、「睡眠障害」という病気の可能性があるため、専門医に相談するようにしましょう。
ただ単に、寝不足が原因で十分な睡眠時間を確保して改善がみられたり、そこまで日中の業務に支障がない場合は、それ以上あまり気にしすぎない。
なぜそのように言うのかといいますと、睡眠は精神的な影響も非常に大きいからです。つまり気にしすぎると余計に眠れなくなったりと悪循環を生む可能性が高いです。
もちろん上述したように寝不足によるリスクも沢山あり、良い睡眠は取らなければいけませんし、取るための工夫はたくさんあるため、またご紹介していきますが、まずはそもそも睡眠とは何かという基礎的な知識を知っておくことで、仮に睡眠時間や質が低下しても、不安にならずにいられることも大変大切なことです。

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