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汗かきな人のためのパジャマ選び 4つのポイント

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この記事の監修者岩本悠資
所属:岩本繊維株式会社 代表取締役
出身:1983年10月 京都生まれ
経歴 同志社大学経済学部卒業。
広告代理店入社、営業部配属。
岩本繊維入社後、日本全国の寝具専門店、家具店などの小売店への卸営業活動を経て、自社ECサイト「Living Mahoroba楽天店」「つくるパジャマ」オープン。睡眠健康指導士のアプローチで快眠に関する知識や寝装品、 パジャマ選びなどの情報をブログで発信。
資格
趣味 寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒

他人よりも汗をかきやすいから寝つきにくい、夜中起きてしまう…。夏場なんかは過剰な汗で眠れないこともしばしば。特にサテンパジャマは肌にはりついてしまうような気がするという方!それはサテン生地というよりかは素材自体を綿ではなく、ポリエステルなどを使っていませんか?そんな汗かきの人におすすめのパジャマの選び方をご紹介します。

1.そもそも、なぜ寝汗をかくの?

入眠するために体温を下げることが必要だからです

汗のおもな働きは、体温調節です。人は常に保っている36~37℃前後の体温よりも高くなると、間脳の視床下部が感知し、汗をかいて体温を下げようとします。寝汗も同じ原理で、ぐっすりと眠るためには、脳の活動をはじめとする体の活動を抑える必要があり、日中の活動体温よりも体温を下げようとし、寝汗をかきます。また、睡眠には脳が完全に休息しているノンレム睡眠と脳が活発に活動しているレム睡眠があります。レム睡眠時に交感神経が刺激されることでも寝汗をかきます。怖い夢や緊張感のある夢などで目が覚めて汗をべっとりかいていたという経験はありませんか?レム睡眠は、朝の起きる時間が近づくにつれて多くなるため、朝方に寝汗をかきやすいのはこのためです。

2. 汗を過剰にかかないようにするために

夏場は26~28℃設定で冷房をつけましょう

根本的には、汗を過剰にかいてしまう原因が生活習慣病や自律神経失調症、ストレス、その他病気など追究し、解決すべきですが、ここではひとまず寝床環境を整えるお話をします。就寝時、エアコンをかけることに抵抗がある方もいらっしゃいますが、政府広報オンラインでも就寝時、暑いときはエアコンを上手に使うことで熱中症の防止を呼び掛けています。温暖化現象などで現在の日本の夏の夜はエアコンを上手に使う必要が出てきているということです。やはり汗を過剰にかかないよう汗かきの方はエアコンを入れましょう。除湿ではなく、冷房にしましょう。直接風が当たらないよう、風向設定やスイング設定などで調節しましょう。また、タイマーではなく26~28℃設定でつけっぱなしがおすすめです。

3. パジャマの素材

汗をかきづらい、吸湿性の高い天然素材の綿や麻を選びましょう

汗にはダラダラと流す液体の汗以外に、水蒸気として出す汗があります。この湿気を逃がしてくれる、つまり吸湿性の高い素材を選ぶ必要があります。綿や麻、シルクなどの天然素材は吸湿性が高く、湿気を逃がしてくれて蒸れを感じることがなく、過剰に汗をかきづらい素材といえます。反対に、ポリエステルやアクリルなどの化学繊維は吸湿性がほぼないため、蒸れを感じ、汗をかきやすい素材といえます。

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涼しい薄手、通気性のよい生地を選びましょう

1重ガーゼパジャマ、前開き、長袖

夏のかるふわガーゼレディースパジャマ

夏のかるふわガーゼメンズパジャマ

保温性は生地の厚みにある程度比例します。薄手の生地は保温性が低く涼しいため、体温をあげにくい、汗をかきづらい生地といえます。具体的には1重のガーゼです。生地が薄いか厚いかは、糸の太さ(※1.糸番手)と糸の量(※2.打込み本数)で判断します。パジャマの生地だと、糸番手は一般的には40番手くらいが平均かやや細い程度で、打込み本数は一般的なワイシャツなどに使われるブロード生地で200本程度。ガーゼは100本前後の目の粗い生地のことを指し、パジャマに使われるガーゼ素材は大体40番手が多いため、一般的なパジャマのほぼ半分の厚みでかなり薄いといえます。またその目の粗さから抜群の吸水性と通気性で汗をよく吸ってくれて、ベタつきにくく快適です。

※1:糸番手…糸の太さを表す単位で、数が多くなるほど糸は細くなります。
※2:打込み本数…織物における、1インチ(約2.5cm)間のタテ糸とヨコ糸の合計本数です。編物の場合、1本の糸を編んでいくため、打込本数ではなく、目付(単位面積当たりの重さ。 1㎡当たりの重さをg<グラム>で表す)で生地の厚みやしっかり感の判断基準になります。

接触冷感のある麻もおすすめです

接触冷感とは生地に触れたときに冷たく感じる感覚のことで、実はその生地自体が冷たいということではありません。熱は温度の高いほうから低いほうへ移動する性質があり、人の肌がその生地に触れたとき、熱伝導率が高いものほど人の肌の熱を多く奪う、つまり冷たく感じるということです。そういう点からも接触冷感のある生地の方が汗をかきづらいといえます。この熱の移動量を数値に表したものが「最大熱吸収速度(q-max:キューマックス)」で、q-max値が0.2以上でやや冷たく感じるといわれています。当店で比べた結果ですが、綿100%の生地で0.18、麻(リネン)100%で0.27。天然素材の中ではやはり麻が一番冷たく感じるので、おすすめです。

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4.パジャマのデザインとサイズ感

熱がこもらない、前開きタイプで、ゆったりしたサイズを

夏場、暑いからといって半袖のTシャツなんかで寝ていませんか?ボタン付の前開きタイプ、いわゆるパジャマの方が、かぶりタイプのTシャツと違い、すきまから熱を逃がしてこもらないというメリットがあります。また、半袖よりも長袖の方が吸湿性のよいパジャマの場合は湿気を逃がしてくれて蒸れにくく、汗をかきづらいです。ただ、暑がりの程度によっては涼しさを重視して半袖にするのもよいかと思います。また、普段着のTシャツはぴったりとしたサイズ感が多く、これもNGです。ゆったりとしたサイズ感を選ぶことでパジャマの中を空気が通り抜けやすいため、涼しく汗をかきづらくなります。またゆったりとしたサイズは、パジャマと肌の接触面積を減らすこともでき、ベタつき感も抑えることができます。

5.まとめ

汗をかきにくい寝室環境にして、絹・麻・綿のガーゼ素材のパジャマを

汗をかくことは体が活動維持のため、必要に応じて行っていることなので、決して悪いことではありません。ただ、過剰に汗をかきすぎることは熱中症などにもつながるため、かきすぎない環境にすることと、蒸れにくく涼しい快適なパジャマを選ぶことで、必要以上に汗をかくことを抑えましょう。パジャマはシルクガーゼが一番かもしれませんね。シルクは吸放湿性に優れ、寝汗対策には最適です。

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