パジャマペディア
繊維、生地などの素材のこと。睡眠、健康のお話までパジャマ、睡眠百科事典です。
介護用パジャマのボタン打合せをマジックテープにするメリットとデメリットについて
オーダーメイドパジャマをお作りする当店では、「介護用パジャマのボタン打合せをマジックテープ(面ファスナー)にしてほしい」というお声をしばしばいただきます。
数々の介護用パジャマのお作りさせていただく中で、マジックテープにすることでのメリット・デメリットや、「こんな仕様もあるんだ!」といった実績事例をご紹介したいと思います。
介護の不便や問題は本当に人それぞれなので、当店のようにお客様お一人お一人に合わせてお作りさせていただくのがやはり一番良いのだなぁとつくづく実感しております。
あと、ちなみにマジックテープという言葉は株式会社クラレ社の商標登録で、正式には面ファスナーと言いますが、マジックテープの方が世間一般的かと思い、こちらのブログでは、マジックテープと表記させていただきます。
1.マジックテープにするメリット
ボタンよりも断然着脱がしやすい
介護する側もパジャマを着させる際に、時間の短縮できたり、ご本人も指でボタンの付け外しが難しい場合もマジックテープだと比較的やりやすいです。
肌への刺激が比較的少ない
また、ボタンの種類にもよりますが、マジックテープの方が皮膚への刺激が少ない場合があります。特に介護を受けられる方は肌が非常に弱く、繊細になられているので、直接肌に当たるパジャマの打合せ部分が優しいのはとても嬉しいポイントです。
2.マジックテープにすることによるデメリット
洗濯耐久性が比較的低い
お洗濯の度にマジックテープに繊維ゴミが絡みつき、粘着が劣化するのが最大のデメリットです。ただ、数回の洗濯で粘着性がなくなる訳ではありませんが、ボタンに比べると耐久性では劣ると言えます。
パジャマはどうしても、洗濯頻度が高い衣料品なので、基本的には洗濯による耐久性が高いものがおすすめにはなります。
着用時に注意が必要
また、マジックテープの方が右側と左側で面がズレたりして、きっちりくっ付けないと外れやすくなってしまうので、くっ付けるときは少し注意が必要です。
3.マジックテープ仕様の納品実績

→マジックテープのゴロゴロ感が少なく、肌への刺激が比較的少ない
→左右で1個、1個、きちんとくっ付けないと外れやすい

→左右でテープ同士をくっ付けやすい、時間も短縮できる
→隙間ができないので、保温性は上がるが、通気性は落ちる
→マジックテープの接着面が多いため、肌への刺激が比較的多い

→オムツ交換がしやすい仕様
4.おすすめの素材
綿ダブルガーゼ

綿ダブルガーゼ
ふわふわ柔らかな肌触りが気持ち良い
ガーゼの一番の特徴は肌触りの良さです。ふわふわと柔らかく、洗濯を繰り返すたびにどんどん柔らかくなるのは、色々な生地の中でもガーゼが一番ではないでしょうか。
使いこむほどに自分のお肌に馴染んでくる感覚を楽しむことができます。
敏感なお肌に優しい素材
赤ちゃんのおくるみにも使われるガーゼは、高齢者の方にももちろん優しい素材です。特に皮膚が弱くなられている方も多いので、お肌をガード、ケアするという点でも柔らかいガーゼが優しくお肌を包んでくれます。
蒸れにくく、適度に暖かい、体温調整してくれる素材
抜群の通気性で夏場でも蒸れにくく、ダブルガーゼはガーゼとガーゼの間に空気層ができるため、ほどよい保温性があり、夏涼しく、冬暖かいといった体温調整をしてくれる一年間快適にお使いいただける素材です。
おすすめのダブルガーゼ素材


天竺ニット

ストレッチ性があり、着脱しやすい
パジャマのデザインだけでなく、素材も着脱しやすいものがおすすめです。天竺ニットはストレッチ性があるので、着させてあげるのも、ご自身で着るのも、生地が伸びるので、便利です。ガーゼなどの織物はストレッチ性がないので、袖口まわりなども大きめの余裕のあるものを選ぶことが大切です。
柔らかい肌触り
高級なTシャツなどにも使われる天竺ニットで、柔らかな肌触りが心地よい素材です。ガーゼに比べ、さらっとした柔らかさをお楽しみいただけます。
ほどよく薄手で施設内との相性抜群
薄手の天竺ニットなので、空調設備が整った病院や施設などでお使いいただくにはちょうど良い素材です。
