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横向き寝|健康・睡眠への影響とおすすめの寝具

いびき対策や胃腸の消化に有効的だとされる横向き寝ですが、実際に健康や睡眠にどのような影響があるのでしょうか。
また、枕やマットレスも横向きに適したもの、適さないものがあるので、寝具も体に対して大きな影響を与えます。
今回はわたくし岩本が睡眠健康指導士、寝装品メーカーとしての知見から横向き寝の健康への影響と横向き寝に適した寝具をご説明させていただきたいと思います。

岩本悠資プロフィール

所 属 岩本繊維株式会社 専務取締役
出 身 1983年10月 京都生まれ
経 歴 同志社大学経済学部卒業。
広告代理店入社、営業部配属。
岩本繊維入社後、日本全国の寝具専門店、
家具店などの 小売店への卸営業活動を経て、
自社ECサイト 「Living Mahoroba楽天店」
「つくるパジャマ」オープン。
睡眠健康指導士のアプローチで快眠に関する
知識や寝装品、 パジャマ選びなどの
情報をブログで発信。
資 格 ・上級睡眠健康指導士(第553号)、
日本睡眠教育機構所属。
https://jses.me/
・通販エキスパート検定3級
(310010270093)、

一般社団法人 通販エキスパート協会所属。
https://tsuhan-exa.org/
・京セラ創業者稲盛和夫氏を塾長とする
経営勉強会「盛和塾」所属。
(盛和塾は2019年12月閉塾)
(
https://www.kyocera.co.jp/inamori/contribution/seiwajyuku/about.html
)

趣 味 寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒

1.そもそも横向き寝と仰向け寝はどちらの方が良いのか

自分に合った寝方であればどちらでもOK

結論から言うと、あくまで私の見解ではありますが、自分に合った寝方であれば横向き寝でも仰向け寝でもどちらでも良いと考えています。
寝方に関する調査でも、横向き寝をすると答えた方は50.2%、仰向け寝をすると答えた方は56.1%と実はほぼ同数であるという報告があります。

寝る向き調査

この報告からもどちらの方が正しい寝方であって、その正しい寝方を皆が実践している訳ではないという印象があります。
どちらかと言えば、自分に合った横向き寝や仰向け寝で、いかに体に悪い影響を与えず、良い睡眠を取れるような工夫や寝具選びをする方が重要だと言えます。
枕やマットレス、パジャマにしても、横向き寝と仰向け寝それぞれに適したものを選ぶようにしましょう。
ただ、横向き寝と仰向け寝では、それぞれ体に及ぼすメリットやデメリットはあるので、それをきちんと理解することは大切です。

2.寝姿勢における大切なポイント

立っている時の姿勢を再現すること

正しい姿勢で寝る

横向き寝でも仰向け寝でも、立っている時の姿勢を寝ている状態でも再現することが大切です。
これが再現できないと頭痛、肩凝り、腰痛、入眠障害、夜間の中途覚醒、無呼吸症候群など、快眠・健康に悪い影響を及ぼす可能性があります。
そこで重要な役割を果たすのが、枕とマットレスなどの敷き寝具で、寝ている状態のときの首、肩、腰などの隙間を立っている時の姿勢と同じになるように埋めてくれるものが理想です。(完全に再現することは不可能なのであくまで理想ですが…)
ですので、枕の高さやマットレスの硬さなどが横向き寝、仰向け寝に合わせて、自分に最適なものを選ぶ必要があります。
また、人は寝ている間、無意識的に20回程度寝返りをうつため、寝返りがうちやすいものであることが大前提になります。
寝返りがうちにくいものだと寝返りの度に中途覚醒を引き起こす原因になります。

3. 横向き寝が与える体への良い影響

睡眠時無呼吸症候群の予防

横向き寝(専門用語で側臥位睡眠)は舌根がゆるむことで気道の閉塞を防ぎ、いびきを軽減したり睡眠時無呼吸症候群を予防する効果が期待できます。

生活習慣病の合併率

睡眠時無呼吸症候群は糖尿病、高血圧、心疾患、脳血管疾患などを高頻度に合併するために、生命予後に影響を与えます。
また、睡眠中の呼吸停止(睡眠時無呼吸)に伴う中途覚醒により不眠や日中の眠気が引き起こされ、さらには交通事故や労働災害の原因となるなど、社会的に大きな問題となっています。
いびきは睡眠時呼吸障害の必発症状であり、いびきのひどさは上気道狭窄の程度をあらわします。睡眠時呼吸障害例でのいびきの強さと呼吸努力(食道内圧変動)の関係を調べると、両者には高い相関関係(r=0.89)が認められました。つまり、いびきは呼吸障害の良いパラメーターであり、大きないびきほど呼吸障害がひどいことを意味します。

消化器系の働きを促進する効果が期待できる

消化器系の胃や腸などの器官は体の右側に出口があるので、体の右側を下にした横向き寝をすると、消化器系の働きを促進する効果が期待できます。
また、右側にある重い臓器である肝臓に対して、心臓の位置が上になり、心臓にかかる負担を軽くすることができると考えられています。

リンパ液の分泌を促進する効果が期待できる

リンパ液の分泌
体の左側を下にした横向き寝の場合、リンパは左側に集中しているため、分泌を促進する効果があると言われています。老廃物や体内の毒素の排出を促すことが期待できます。

4. 横向き寝が与える体への悪い影響

敷き寝具と接触する方の肩や腰に負担がかかりやすい

ヒトの体は背面側よりも側面側の方が凹凸が大きいため、横向き寝はマットレスなどの敷き寝具との接触面圧が大きくなります。

肩腰への負担

その結果、仰向け寝に比べて肩や腰に負担がかかりやすくなり、肩凝り、腰痛、骨盤の歪みやズレの原因にもなります。
後で詳しく説明しますが、横向き寝をする場合は横向き寝に合った敷き寝具と枕を選ぶことが大切です。

5. 仰向け寝が与える体への良い影響

姿勢矯正の効果が期待できる

仰向け寝(専門用語で仰臥位睡眠)の方が横向き寝に比べ、マットレスとの接触面圧を減らすことができ、体圧が均等に分散されやすいので、背骨が真っ直ぐになり、猫背の防止や姿勢矯正の効果が期待できます。

体圧を分散

血流促進による疲労回復効果が期待できる

仰向け寝によって、体圧が均等に分散されることで、血行が促進されやすくなります。
血流が促進されると体内の老廃物や乳酸などの疲労物質がより早く排出されやすくなり、疲れが取れ、回復が早くなるという効果が期待できます。

疲労回復

6. 仰向け寝が与える体への悪い影響

いびきや睡眠時無呼吸症候群を促進する可能性が高くなる

睡眠時の閉塞状態

先ほどの横向き寝のメリットでご説明した内容と真逆で、仰向けの姿勢は舌が下に落ち、空気が通る気道が狭くなることで呼吸の妨げとなってしまい、いびきや睡眠時無呼吸症候群を促進する可能性が高くなります。
ですので、睡眠時無呼吸症候群など睡眠時呼吸障害の傾向のある方は横向き寝の方がおすすめです。

7. 横向き寝におすすめの寝具

比較的柔らかめのマットレス

先述したとおり、横向き寝でも仰向け寝でも、立っている時の姿勢を再現することが大切です。それに加えて、マットレスとの接触面圧を少なくすることも大切です。
横向き寝は仰向け寝に比べ、肩と腰が沈み込みやすいので、ウエストをサポートし、背骨を真っ直ぐにするような柔らかめがおすすめです。
硬めの高反発マットレスや、ボンネルコイルのものは横向き寝の場合は背骨が湾曲し、骨格が歪む原因になる可能性が高いです。
ラテックスマットレスやポケットコイルのマットレスでも硬さが合わないと同じような現象が起こるため、人の体格や体重も考慮して自分に合ったマットレスを選ぶようにしましょう。

高さを調整できるオーダーメイド枕

頭痛や肩凝り、腰痛などから快眠できていないとお悩みの方で「まずは枕を見直してみよう」という方が多いですが、枕だけでは不十分です。
どちらかというと自分に合ったマットレスを見つけて、その後に首と敷き寝具の間を埋めるのが枕というイメージです。
お近くに寝具専門店、オーダーメイド枕専門店があれば、試し寝やマットレス、枕の調整してくれるお店もあるので、お悩みの方はぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
こういった寝具専門店の販売員さんは私と同じ睡眠健康指導士の資格をもっている睡眠のプロの方で、睡眠や健康についてトータル的に悩み相談に乗ってくれることが多いです。

ストレッチ性のある柔らかなニット素材のマットレスシーツ

ストレッチ性のあるシーツ

横向き寝に適した柔らかめのマットレスに限りませんが、マットレスの側生地が柔らかなニット素材でキルティングが細かくかかっているものも多いので、そのマットレスの心地良さを失わないマットレスシーツはニット素材のものが断然おすすめです。
ガーゼやサテンの織物と違い、ストレッチ性があり柔らかいニット素材はキルトによく沿い、マットレスの良さをそのまま感じることができます。
オールシーズンだと薄めの天竺ニット、秋冬用だと少し厚手のスムースニットなどがおすすめです。
また介護用のリクライニングベッドなどでマットレスが湾曲する場合でもニット素材は適応できるのが嬉しいポイントです。

ガーゼやニットなどの柔らかな綿素材の枕カバー

高さを調整できるオーダーメイド枕は、中側はポケットがいくつもあり(物によっては15個くらいのものも…)、そのポケットの中につぶ綿やパイプ、ビーズ、そば殻など色々なものを詰めて、高さや柔らかさを自分好みにできるようになっています。
枕の側はキルトが細かくかかっており、高さも部分部分によって差があります。
そのため、枕カバーはそのキルティングや頭の沈み込み具合、枕の部分部分の高低差を邪魔しないような柔らかく、ほどよく薄目で沿いのよいものがおすすめです。
先ほどおすすめしたニットはもちろんですが、蒸れにくいガーゼや、汗をよく吸うパイル素材もおすすめです。

ガーゼ素材の枕カバー
シーツも枕カバーも素材は必ず、綿などの天然繊維のものにしましょう。化学繊維は綿が吸放湿性に優れているのに対して、ほぼゼロに等しいので、蒸れるため、夜間の中途覚醒の原因になります。また直接顔が触れるものなので、お肌にも天然繊維の方が断然やさしいです。

襟の付いていないデザインのパジャマ

これは横向き寝、仰向け寝のどちらにも当てはまることですが、オーダーメイド枕で自分にぴったりに折角調整してもらっても、襟が付いているパジャマを着用すると若干高さなど異なってくるため、襟が付いていないデザインのパジャマがおすすめです。

襟なしパジャマ

ただ、冬場などは襟が付いていないパジャマだと首元が冷えて、快眠ができにくくなるため、気になる方は冬用にオーダーメイド枕を調整してもらうのがベストではあります。
また素材は寝返りのうちやすい伸縮性のあるニット素材がおすすめです。
ガーゼやサテンなどの織物の場合は少し余裕のある大きめサイズのものを選んで寝返りをうちやすい工夫をすることが大切です。

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