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パジャマペディア

繊維、生地などの素材のこと。睡眠、健康のお話までパジャマ、睡眠百科事典です。

光の刺激を活用する寝室づくり

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この記事の監修者岩本悠資
所属:岩本繊維株式会社 代表取締役
出身:1983年10月 京都生まれ
経歴 同志社大学経済学部卒業。
広告代理店入社、営業部配属。
岩本繊維入社後、日本全国の寝具専門店、家具店などの小売店への卸営業活動を経て、自社ECサイト「Living Mahoroba楽天店」「つくるパジャマ」オープン。睡眠健康指導士のアプローチで快眠に関する知識や寝装品、 パジャマ選びなどの情報をブログで発信。
資格
趣味 寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒

「夜はいつまでも起きていられるのに、なぜだか朝は起きられない」「朝目覚めてもベッドから起き上がれず、どうしても二度寝してしまう」「起きた後、数時間はぼーっとして午前中は頭が働いてくれない」そんなお悩みの方、多いのではないでしょうか。

これは体内時計をうまく調整できていないのが原因です!

体内時計を調整するにはどうしたいいのでしょう?

1.体内時計を知る

体内時計のリズムは1日が25時間

地球は1日24時間の周期で自転しています。ところが私達の身体はそれより1時間多い25時間の周期でリズムを刻んでいます。

外部から何の刺激も受けなければ、1日1時間ずつ遅れが生じますので、生活に支障をきたしてしまいます。私達はこの25時間の体内時計を24時間に調節することによって、1日のリズムを生み出しているのです。

1日のリズムは「サーカディアンリズム」と呼ばれています。このリズムがくずれてしまったために、質の高い睡眠がとれず、特に午前中の脳の機能が低下して仕事や勉強に悪影響が出ている人が少なくありません。

睡眠覚醒リズム障害

現代人は睡眠覚醒リズム障害の予備軍だといわれています。睡眠覚醒リズム障害とは25時間といわれる体内時計の周期を外界の24時間周期に適切に同調させることができないために生じる睡眠の障害のこと。大きく分けて3つのタイプがありますが、ここでは「非24時間型」を例にとって説明します。

非24時間型

非24時間型の睡眠覚醒リズム障害とは周期が25時間の体内時計を24時間に調整できないのが主な原因です。この調整は正常であれば光などの因子によって行われるのですが、そのプロセスが充分に機能していないため、毎日1時間ずれが生じてしまうのです。そこで治療の方針としては、同調因子の強化を狙います。最も有効なのは「高照度光療法」という治療法です。これはその名の通り、2000ルクスから10000ルクス程度の高照度の光、つまり明るい光によって体内時計を調整しようというものです。2週間ほどこの治療を行うことでかなり体内時計が整えられます。

参考文献:「能力」をのばす!快適睡眠術 ISBN4-569-64984-6

2. 光の刺激を活用する

起きたら光を浴びる!


体内時計のずれを調整するために重要なことは起床時に太陽光をあびること。光の刺激は、よりよい目覚めと生体リズムの調整に重要な役割を担っています。2000ルクス以上の高照度光には、覚醒作用や交感神経系活動の亢進作用、体内時計の位相調節作用があります。高照度光による生体リズムへの影響については、どのタイミングで光を浴びるかによって異なります。通常、日の出の時刻は体温が最低となる時刻よりも後ですので、朝日を浴びると概日リズムの位相前進が起こり、早寝早起きを促進します。

日中は夜中と比べて光に対する感受性が低くなりますので、朝は室内光程度の光では、上記のような効果はあまり期待できません。ですが曇天でも屋外では2000~数万ルクス程度の照度になりますので、朝起きた時にカーテンを開け、目に外の光を取り入れることが大切です。

就寝中の光

0, 0.3, 5, 30, 50, 120, 180, 300ルクスの8段階の照度の光が睡眠に及ぼす影響を調べた研究によると0.3ルクスの時が睡眠の深さが最高にえられ、すっきり目覚めることができました。30ルクス以上になると済んが浅くなり、レム睡眠が減少し、照度が上がるにつれて、手や布団で顔を覆う行動がみられるようになり、このような遮光行動は50ルクス以上で顕著にみられました。逆に0ルクスのほうが、0.3ルクスよりも睡眠震度が低下していました。真っ暗にすると不安になってかえって眠れないという人の場合は、10ルクス程度の足元灯をつけておけばよいでしょう。天井灯では目に直接ひ光が入り、眠りにくい場合もあります。

高齢者では頻尿によって就寝後にトイレに行く機会が増えますが、室内灯を点けると覚醒レベルが上がり、再入眠に時間がかかりますので寝室だけでなく廊下にも足下灯を付けておくとよいでしょう。そのぐらいの光でも視認性は十分確保できますし、光による覚醒レベルの上昇は起こりません。

参考文献:睡眠検定ハンドブック ISBN978-4-88117-172-4

3. 光をとりいれる寝室づくり

老人室や子供部屋で就寝する場合

お歳を召した方のお部屋や子供部屋の場合、昼間に使用することも多いので直射日光をとりいれる工夫が必要です。通常、全体照明は10~30ルクスあればいいところ、75~150ルクスの照明がベストです。また学習や読書のための局所照明を使う場合は500~1000ルクスの照明が必要です。老人室では就寝中は足下灯があれば夜中のトイレも安心です。

主寝室の光


主寝室の場合、脳がすっきり覚醒し気持ちよく目覚めるには、朝日を浴びる必要があります。断熱性の高い窓にすれば、外から入る夏の日射や冬の寒気を和らげてくれます。 照明は電球色のオレンジの色調のライティングを低い位置で使用すれば入眠に最適です。

遮光カーテンは避けましょう

外部の光を遮るためにカーテンは厚手のタイプが向いていますが、遮光カーテンは冬場の冷気や夏場の早朝の日差しを防ぐのにも効果がありますが、光を遮り過ぎて朝に目覚めにくいことが懸念されます。ですので、ベッドから離れた位置の窓のカーテンから、少し光が入るようにしておくとよいでしょう。東向きの部屋を寝室にすると、朝日とともに目覚めやすいでしょう。

4. まとめ

すっきり目覚めるためには、まずは環境づくりが大切です!お部屋の位置をかえるのは難しくても照明計画をかえるだけでも、目覚めはかわります。また高齢者やお子さんのお部屋でも変わってきます。 世代がかわっても、大切なことは朝日を浴びる事!ペアガラスや二重サッシ、高機能な断熱材の開発など昨今の住宅環境は高気密化し外気温の影響を受けにくくなってきています。お客様のお声を聴いておりますと、年中同じパジャマでお休みの方もたくさんいらっしゃるようです。睡眠環境も大切ですが、身体にまとっているものが不快を与えるものでは何にもなりません。オールシーズン対応できる厚みのパジャマでしっかり吸汗できるものを選び明日の活力にそなえましょう!

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