パジャマペディア
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いまや3人に1人がなんらかのアレルギー体質であるといわれています。睡眠中に影響を与える主なアレルギー症状の原因として花粉、ハウスダスト、ダニがあげられますが、ハウスダストやダニは花粉と違い1年中発生し、布団やベッドが最も多い発生場所になるため、アレルギーの方は特に対策が必要です。
1.掃除の方法、間違っていませんか?
平均的な家庭で調査した結果、ハウスダスト1gの中にはダニが約2,000匹、黒カビ約3万個、細菌約800万個が検出されたという報告があります。私たちの体にこれらのアレルゲンが入ってきたら、体は異物と見なし抗体を作り出す際に放出される化学物質が、炎症やかゆみ、咳などの症状を引き起こします。これがアトピー性皮膚炎や花粉症などが起きる仕組みです。ダニの駆除、室内に生えているカビの掃除、花粉を室内に入れないことなどがアレルギー疾患の予防となります。最近ではたくさんの家事代行サービスなどもありますが、そう頻繁には利用できません。日々の正しいお掃除がアレルギー症状を防いでくれます。
いつ掃除すればいいの?
ハウスダストはとても軽いため、人が部屋の中を動き回っている日中は、空中に巻き上げられてしまいます。巻き上げられたハウスダストは小さな子供の身長70cm付近をただよってしまうため、注意が必要です。巻き上げられたハウスダストは約2時間かけておちてきますが、動くとすぐに舞きあがってしまうため、人が寝ている間に下に落ちて来て就寝中に吸い込んだり、床の上に溜まってしまいます。そのため、なるべく人が動き回る迄の、朝一番がオススメです。朝、時間が無いという人は、外出先から帰ってきたすぐあとでもいいですね。
ただし畳だけは夜がおすすめ。和室を掃除するタイミングは畳の中に潜んでいる夜行性のダニがエサを求めて畳の表面に這い出てくる暗くなってからがベストです。夜に掃除機をかけにくい場合は、カーテンを閉めて部屋の明かりを消し1時間ほど待つとダニが勘違いして動き出してきます。そのタイミングで掃除機をかけるといいでしょう
掃除の順番
窓を閉めたまま、上から順番に掃除をするようにしましょう。上から落ちたハウスダストを、最後に床で取り除くことができます。
掃除するときのコツは、できるだけハウスダストを巻きあげないこと。すぐに掃除機をかけて巻き上げるのではなく、モップなどで優しく吸着させてゴミを取り、その後掃除機を床の中央からかけ、最後に角を掃除するようにしましょう。ハウスダストを巻き上げないように、一往復5~6秒!1㎡あたり20秒をめやすに掃除機はゆっくりかけると、とれるゴミの量もかわります。 その後、水ぶきをすると完璧です!
部屋の床材によっても、掃除機のかけ方はかわります。一本一本の毛を逆立てるようなイメージでカーペットは目に逆らって掃除機をかけると、毛と毛の間に隠れているチリやダニをより吸い込みやすくなります。
逆に、畳やフローリングは目に沿って掃除機をかけます。フローリングの場合は、ヘッド部分を壁にぶつけないよう気をつけながら、まずは目に沿って掃除機をかけ、それから幅木に沿ってかけてゴミを吸い取りましょう。
2. 洗濯でアレルゲンをとりのぞく
パジャマやカバー類は洗えばハウスダストやダニは取り除けます。ダニは1週間で卵からかえりますので、寝具などは週に1度、直接肌にふれるパジャマは最低でも2,3日に1度はお洗濯してください。アレルギーの方の場合は、大変ですができれば、寝具は週に2,3度、パジャマは毎日お洗濯するのがおすすめです。
寝具の洗濯や布団の掃除機がけは回数が増えると重労働。布団の丸洗いサービスもありますので、シーズンごとに利用するのもいいかもしれません。ダニなどを丸ごと除去できますし、年々、布団は汗などで中綿がかたまってきますので、洗うことでふっくら復元してより長くお使い頂けます。
また、防ダニカバーなどを使い、布団やマットレスの中にダニが侵入するのを防ぎましょう。ただし、内部には入りませんが、防ダニカバーの上にはハウスダストやダニがたまります。私も使用していますが、ちょっと目を離すとシーツの上がザラっとしますので、掃除は同じようにしてくださいね。
冬場や雨が多い季節、部屋干しでの洗濯物で室内の温度と湿度が上昇し、それがダニやカビの増殖に絶好の条件となるので、特に部屋干し派は窓を開けたり換気扇を使用したりして湿気を室内から逃がすことが大切です。窓際などはさけ、できるだけお部屋の中央での部屋干しがおすすめです。
3. ダニをやっつける方法
ハウスダストの原因となるダニ。生きてるダニもですが、フンや死骸もアレルギーの原因になります。湿気のあるところとタンパク質を好むダニ。ダニの場合は口に入れることで死に至る可能性もあります。最近では、パンケーキシンドロームともいい、ホットケーキミックスやお好み焼き粉など、卵やかつおぶしなどを含むタンパク質の中でダニが繁殖し、それを知らずに口にいれて呼吸困難を起こす場合があります。私の場合は新品の天ぷら粉でのアナフィラキシーショックで救急車で運ばれました。10℃以下でダニの繁殖を防ぐことができますので、小麦粉、片栗粉は繁殖しにくいといわれていますが、すべての粉ものや乾麺などもファスナー付きのビニール袋に2重にいれて、冷蔵庫で保存しています。
熱でやっつける
太陽に干す場合は、布団の表面はせいぜい35℃くらいにしかなりません。表面が暑くてもダニは布団の内部に潜り込み死滅しません。実験では40℃で動きが鈍くなり、50℃で動かなくなります。また50℃を20分キープすると死滅し、60℃では数秒でひからびて死んでしまいます。
ダニが増えない環境づくり
気密性が高くなった住環境は、ダニやカビにとっては好都合です。とにかく湿度を70%以下に保つために、窓をあけて換気を行うか、雨天時などはエアコンなどを利用してダニやカビが増えない環境作りが大切です。
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