パジャマペディア
繊維、生地などの素材のこと。睡眠、健康のお話までパジャマ、睡眠百科事典です。冬パジャマを徹底比較!選び方のコツとおすすめ冬素材のご紹介

寒い冬に着るパジャマを選ぶポイントは暖かさ以外にも蒸れにくさや軽さ、リラックスできる伸縮性など様々な要素があります。今回はつくるパジャマの冬用暖かパジャマを各項目で徹底比較して選び方のコツをご紹介します。ぜひご自身に合った冬パジャマを見つけてみてください。
1.暖かさランキング
暖かさの目安は「保温率」!
とにかく寒がりな方は暖かさの目安である「保温率」の高い冬パジャマを選ぶのがおすすめです。
保温率とは、人と衣服の間が暖まるスピードや暖かさの度合いです。
保温率の値が高いほど暖まりやすく、値が低いほど暖まりにくいパジャマということになります。
目安としては、あったか肌着で16%程度、フリース素材で50%程度ですので、20%超えると暖かさを感じ、30%でかなり暖かい方、40%以上で極暖と言っても良いかと思います。
保温率ランキング
1位:コットンウール6重ガーゼパジャマ(保温率57%)
2位:コットンフリースパジャマ(保温率49%)
3位:キルトニットパジャマ(保温率43%)
4位:裏起毛スウェットパジャマ(保温率34%)
5位:3重ガーゼパジャマ(保温率29%)
6位:スムースニットパジャマ(保温率22%)
保温率と生地の厚みはほぼ比例しました
生地が厚いほど暖かいと思われている方も多いのではないでしょうか?
一概には言えないかと思うのですが、当店6種類の冬パジャマは全て比例しました。
生地が厚いと透けにくいメリットはありますが、デメリットとしては重くなりやすく、着膨れ感が出てきます。
※つくるパジャマ調べです。多少計測誤差の可能性があります。
生地の厚みランキング
1位:コットンウール6重ガーゼ(1.61mm)
2位:コットンフリース(1.45mm)
3位:キルトニット(1.41mm)
4位:裏起毛スウェット(0.95mm)
5位: 3重ガーゼ(0.72mm)
6位:スムースニット(0.67mm)
2. 触った瞬間の温もりランキング
ひやっとしない目安は接触冷温感
パジャマに着替えた瞬間に「う~冷たい!」という感覚の目安は接触冷温感の数値であるq-max値になります。q-max値が0.2W/c㎡未満で暖かさを感じる目安と言われ、ふわふわ起毛されており触った瞬間に暖かいイメージのマイクロファイバーで0.1 W/c㎡程度、逆に夏のヒンヤリしたイメージの麻で0.27W/c㎡程度と言われています。
接触冷温感ランキング
1位:コットンフリースパジャマ(Q-Max値 0.058W/c㎡)
2位:裏起毛スウェットパジャマ(Q-Max値 0.110 W/c㎡)
3位:キルトニットパジャマ(Q-Max値 0.125 W/c㎡)
4位:コットンウール6重ガーゼパジャマ(Q-Max値 0.143 W/c㎡)
5位:3重ガーゼパジャマ(Q-Max値 0.194 W/c㎡)
6位:スムースニットパジャマ(Q-Max値 0.212 W/c㎡)
3. 蒸れない冬パジャマランキング
蒸れにくさの目安は「吸放湿性」!
暑がり、汗かきの方は「吸放湿性」が高い冬パジャマがおすすめです。
吸放湿性とはその生地がいかに湿気を吸って、その湿気をいかに放出するかの指標になり、ΔMR(デルタエムアール)という数値が高ければ高いほど蒸れにくいということになります。
目安としては5%以上で優れていると言われていますが、実際には1%程度あれば蒸れ感はあまり感じにくいかと思います。(実際の体感と検査協会の方の見解)
逆に蒸れを感じやすいポリエステルですと0.5%未満などの数字が出やすいです。
吸放湿性ランキング
1位:スムースニット(ΔMR 7.1%)
2位:コットンウール6重ガーゼ(ΔMR 5.1%)
3位:3重ガーゼ(ΔMR 4.8%)
4位:裏起毛スウェット(ΔMR 3.8%)
5位:コットンフリース(ΔMR 3.5%)
6位:キルトニット(ΔMR 0.8%)
綿などの天然素材を選ぶと蒸れにくくておすすめ
人は冬場でも寝ている間にコップ一杯分の汗をかきます。
保温力に優れ、体が温まれば温まるほど、体から出る水蒸気としての汗をパジャマが吸収し、放出しなければ、不快な蒸れ感と同時に、結露となった湿気が体を冷やしてしまいます。
ポリエステルなどの化学繊維は吸湿性、吸放湿性が非常に低く、夜間に蒸れやすいので、蒸れ感がきになる方は特に綿などの天然素材の冬パジャマを選んでいただくのがおすすめです。。
4.軽い冬パジャマランキング
リラックス感をお求めなら軽いパジャマがおすすめ
肩こりが気になる方や関節症でお悩みの方なら出来る限り軽いパジャマの方がおすすめです。
パジャマの生地は暖かさに比例して重たくなる傾向があるので、ご自身にとって暖かさと軽さのバランスが取れた冬パジャマを選ぶことをおすすめします。
軽さランキング
1位:3重ガーゼパジャマ(537g)
2位:スムースニットパジャマ(542g)
3位:裏起毛スウェットパジャマ(687g)
4位:コットンウール6重ガーゼパジャマ(765g)
5位:コットンフリースパジャマ(908g)
6位:キルトニットパジャマ(997g)
※こちらはメンズMサイズのかぶりデザインの重量になります。
重量はデザイン、サイズによって異なるので、あくまで比較のご参考にしてください。
5.伸縮性ランキング
寝返りがしやすく、着脱がしやすさなら伸縮性のある冬パジャマがおすすめ
ガーゼなどの織物は伸縮性が乏しいですが、ニットなどの編み物はストレッチ性がきいて、着脱もしやすく、睡眠中も寝返りにストレスが少ないため、快眠の妨げになりにくくておすすめです。
伸縮性ランキング
1位:キルトニット
2位:スムースニット
3位:裏起毛スウェット
4位:コットンウール6重ガーゼ
5位:コットンフリース
6位:3重ガーゼ
※つくるパジャマ調べです。多少計測誤差の可能性があります。
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https://www.tsukurupajama.jp/common/img/contents/winterdata.pdf
(ユニチカガーメンテック社に依頼した試験データに基づいています)
6.まとめ
とにかく暖かさをお求めならコットンウール6重ガーゼパジャマ
驚異の保温率57%!これ以上に暖かいパジャマは他にないのでは?と思うくらいに暖かいおすすめの冬パジャマです。
しかも蒸れにくさの指標となる吸放湿性にも大変優れています。
重量が重めなのと、伸縮性に乏しいのが惜しいところです。
また、生地が厚く内寸をとられるので、他の生地の同じサイズよりも小さく感じるのと、縫い目滑脱を起こしやすいので、余裕をもったサイズ感、1サイズ大きめなどを選ばれることをおすすめします。
ふわふわ暖かいフリースのような肌触りをお求めならコットンフリースパジャマ
接触冷温感Q-Max値で驚異の0.058W/c㎡、マイクロファイバーの倍ほどヒヤッと感のない肌触り。
さらに保温率も抜群なので、とにかく温もりを感じていたい方におすすめです。
また、裏起毛と違い、表面もふわふわしているので、いつでも、どこに触れても暖かい、ヒンヤリしないという感じです。
デメリットとしては6重ガーゼと同様、重量が重めなのと、伸縮性に乏しいところですね。
また洗濯を10回程度繰り返すと起毛部分が若干硬くなるので、できるだけふわふわさせたい方は柔軟剤を使われることをおすすめします。
高い保温力と伸縮性をお求めならニットキルトパジャマ
保温率も抜群に高く、さらに伸縮性も高いので、暖かくリラックスしたご着用感です。
ただ、重量が一番重たいことと、吸放湿性が低いことがデメリットですが、吸放湿性はΔMR1%近くあるので、蒸れやすいということはないので、ご安心ください。
保温性、伸縮性などバランスの良さをとるなら裏起毛スウェットパジャマ
優れた保温力で、伸縮性もあり、起毛ならではのヒヤっと感もなく、重量もそこまで重たくなく…といった具合で非常にバランスが良いのが裏起毛スウェットです。
デメリットが特にないくらいです。
こちらも洗濯を10回程度繰り返すと起毛部分が若干硬くなるので、柔軟剤を使われるのがおすすめです。
冬パジャマで人気No.!とにかく冬もガーゼを使いたいという方は3重ガーゼパジャマ
ふわふわした柔らかい肌触り、洗えば洗うほどふっくらしていくのがガーゼパジャマの特徴。
そんなガーゼが大好きな方、冬でもとにかくガーゼを使いたいという方には3重ガーゼがおすすめです。
こちらも冬パジャマとしては非常にバランスが良いと言えます。
保温性も高く、抜群に蒸れにくく、重量も冬パジャマの中では一番軽い、実は当店の冬パジャマの中でダントツで人気No.1の素材です。
ただ、伸縮性に乏しいのがデメリットです。
蒸れにくさNo.1!とことん心地良さを求めるならスムースニットパジャマ
他の冬パジャマに比べ、保温力はそこまで高くないものの、柔らかく滑らかな肌触り、伸縮性がありリラックス感たっぷりの着心地、何よりも蒸れにくさがダントツの吸放湿性ΔMR 7.1%!
3重ガーゼの次に人気のおすすめ冬パジャマです。
Q & A
みなさんから頂く、冬パジャマの選び方やお洗濯方法など、よくあるご質問をまとめております
1.素材の良いパジャマは?
パジャマには綿や麻、絹などの天然素材がおすすめ。ポリエステルなどの化学繊維は大変蒸れやすいのですが、綿などの天然繊維なら通気性や吸水性、吸放湿性に優れているだけでなく、お肌にやさしいので快適に過ごすことができます。
2. 冬におすすめの素材は?
冬のパジャマは保温性の高さ以外にも、通気性の良さや伸縮性がある天然素材のパジャマがおすすめ。綿素材のパジャマなら冬の敏感なお肌にも優しい肌触りで心地よく、ウール混の素材なら高い保温性と吸放湿性で暖かいのに蒸れにくく快適です。
3. もっとも暖かい素材は?
暖かさを測るには次の3つの指標が重要です。
・保温率(温まる早さや暖かさ):20%を超えてくるとやや暖かい
・Q-max値(触れたときのヒンヤリ感):0.2W/c㎡未満からヒンヤリ感が少ない
・実際の体感
これらの指標から当店でもっとも暖かい素材を選ぶと、「コットンウール6重ガーゼパジャマ」になります。6層構造のうち内側の3,4層目のヨコ糸にウールを使用することで、高い保温性を実現しています。また、お肌に触れる外側の層は綿100%なので、ウールのチクチク感が苦手な人にも着ていただける生地になっています。
4. ポリエステルパジャマのデメリットは?
冬に人気のフリースパジャマですが、吸放湿性が低いポリエステル素材が多く、熱がこもりやすいので就寝中の蒸れが気になることも。つくるパジャマのコットンフリースパジャマなら綿素材だから高い保温性だけでなく、通気性にも優れているので蒸れ感を抑えて翌朝まで快適におやすみいただけます。また、綿素材中心なので静電気が起こりにくいのも嬉しいポイント。
・おすすめのコットンフリースパジャマ
・冬におすすめのパジャマはこちら
5. 冬のパジャマの洗濯頻度は?
冬は夏に比べると汗の量も減りますが、2~3日に1回はお洗濯するのがおすすめ。特に冬でも頻繁にお洗濯される方は、通気性、速乾性に優れた綿などの天然素材のパジャマがピッタリ。また、同じ綿素材でも生地の種類によって乾きやすさには差があり、起毛素材やニットに比べるとガーゼ生地はお洗濯後の乾きが早いのでおすすめです。
・おすすめの3重ガーゼパジャマ
・おすすめのウール混6重ガーゼパジャマ
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- 岩本悠資
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- 1983年10月・京都生まれ
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- 同志社大学・経済学部卒。上級睡眠健康指導士。
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- 寝装品メーカー「岩本繊維株式会社」に入社後、心地よい肌触りで快眠できるパジャマに最適な素材を日々研究中。
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- 2017年11月にオーダーパジャマ専門店「つくるパジャマ」を開店
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- 趣味
- 寝ること、育児、音楽鑑賞、お酒
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