パジャマペディア
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販売されているパジャマの説明に、「生地は●番手の糸を使って~」「●産の超長綿で~」など…何がどう良いのか悪いのかいまいち分からない。。今回はそんな方に生地の糸に関する知識をいくつかご紹介します!
1.糸番手って何?
糸番手とは糸の太さのことです
綿糸や麻糸などの短いわた状の繊維を合わせたスパン糸と呼ばれる糸に使われる単位です。また、ポリエステル糸や絹糸などの長い繊維を撚り合わせたフィラメント糸と呼ばれる糸にはデニールという単位が使われます。糸番手は数が大きくなるほど糸の太さは細くなり、反対にデニールは数が大きくなるほど糸の太さは太くなります。
2.糸の太さで何が違うの?
糸は細いほど、生地は柔らかく、光沢がでます
生地の糸は細ければ細いほど、生地は柔らかく、光沢がでるという特徴があり、太い糸は細い糸に比べ、かためで、チクチク感があり、がっしりしています。また細い糸を作るには繊維長の長いわたを使用する必要があるため、一般的に高価になります。
3.一般的な糸の太さってどれくらい?
綿素材では40番手くらい
綿素材で言いますと、市場に出回っているパジャマは40番手くらいのものが多く、一般的な糸の太さと言えます。60番手以上になると細い糸とされ、アパレル業界の高級シャツ地などに使われることが多いです。反対に20番手の太番手糸ですと、シーツ地などに使われることが多いです。また、同じ糸番手でも、素材が異なると、太さは全く変わってきます。例えば、綿の40番手と麻の40番手では麻の40番手の方が断然太いです。具体的には麻の糸番手×0.35した数が綿の糸番手に相当します。つまり、40番手の麻糸の太さは10番手くらいの綿糸の太さということです。
4.単糸と双糸
単糸に対して双糸は糸の太さが倍
単糸は1本の糸で、双糸は2本の糸を撚り合わせたものです。1本の糸の単糸よりも、2本の糸を撚り合わせる方が糸の太さが均一になり、太さも倍になります。40番手の単糸に対し、40番手の双糸は20番手に相当します。糸の強度が増すことももちろんですが、糸の太さが均一になると、織り工程で品質が安定するメリットもあります。また、3本撚り合わせたものを三子糸(みこいと)、4本撚り合わせたものを四子糸(よんこいと)と言います。
5.超長綿って何?
平均繊維長35mm以上の綿花や、その綿花で紡績された糸が超長綿
21mm以下のものを短繊維綿、21mm~28mm未満のものを中繊維綿、28mm以上のものを長繊維綿、この長繊維綿の中でも 平均長35mm以上のものを超長綿と言い、希少価値の高いものとされています。
6.超長綿って何が良いの?
細番手糸を作る上で最も高品質な材料
綿糸をつくるためには、綿わたの繊維を紡いで作ります。一本の長い糸を作るとき、作る糸が細ければ細いほど、繊維自体が長いものを紡ぐ方が、短い繊維を沢山紡ぐより、ブチブチと切れず、高品質なものが作れます。つまり、超長綿が良いというより、60番手以上の細くて高品質な糸を作るためには長繊維を使わなければならず、その中でも超長綿はさらに高品質で高価なものということになります。
また、細番手糸をつくる際は、原材料である綿わたを長繊維長のものばかりをより分けます。これをコーミングといいます。そうしてコーミングして長繊維長のもので紡績された高品質な糸をコーマ糸と呼びます。
7.まとめ
いかがでしたか?一般的に、糸は細くなるほど高価になり、その原料がコーマ糸や超長綿であると高品質になります。ただ、生地は糸が細いから良い、太いから悪いというものではありません。その生地をパジャマに使うのか、シーツに使うのかなど商品によって変わってきます。今回の知識は商品を選ぶときの、一つの「ものさし」としてお役に立てれば幸いです。
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